2012年5月1日火曜日

「票」と「カネ」

「票」と「カネ」の両面で長年、自民党を支えてきた日本医師会(日医)の政治団体「日本医師連盟」が、政権交代が実現したのを機に、政治献金の配分を見直すことを決めた。

献金の大半を自民党本部や同党の国会議員に集中する方針を転換し、与党への発言権を確保するため、民主党に軸足を移すことも検討する。

「票」についても、今回の衆院選で、「社会保障の充実」を掲げた民主党候補を地方の医師連盟が積極的に支援する例が相次いでおり、医師たちの離反は、復活を期す自民党に大きなダメージを与えそうだ。

「こんなに風が吹くとは思わなかった。大きな力を頂いた」

衆院選の投開票から一夜明けた8月31日。水戸市の茨城県医師会館には、「厚生族のドン」と呼ばれる自民の元厚相、丹羽雄哉氏(65)を、3万3000票もの大差で破った民主新人で元厚生官僚の大泉博子氏(59)ら民主党の当選者たちが次々とあいさつに訪れた。

政治団体「茨城県医師連盟」が、後期高齢者医療制度に反発して、県内7小選挙区すべてで民主党の候補を推薦すると発表したのは昨年9月。

保守王国として知られ、自民党支持を続けてきた同県医師会にとっては大きな決断だった。そして1年後、民主党は、小選挙区の当選者を前回4年前の1人から5人へと大幅に増やした。