2012年6月1日金曜日

白票反対と執行部の即時退陣を申し合わせた

党の再生に向けた起点になるはずだった8日の自民党両院議員総会は、大きな波乱もなく1時間15分で終わった。党内で異論が強かった首相指名選挙での「白票」は認められず、落としどころは「若林正俊両院議員総会長」。

農相、環境相を歴任した参院議員のベテランとはいえ、総裁候補でもない若林氏をその場しのぎで選ぶ事態に、党の危機的な状況が表れている。

総会の冒頭で、麻生太郎首相は16日の特別国会前に総裁を辞任する考えを正式に表明。「戦う野党として政権奪還を目指す政党に生まれ変わっていかねばならん」と大見えを切ったが、その後は終始うつむき加減だった。

特別国会前に総裁を辞任し、次の総裁候補が見つからない中、白票で時間を稼ぐ--。執行部のシナリオに、党内からは反対意見が相次いだ。新藤義孝衆院議員は総会で「党の代表を決めて投票する動議を出す」と発言。甘利明行政改革担当相は「白紙は権利放棄ではない。われわれの強い決意が秘められている」と強引に反論したが、白票賛成は約10人にとどまった。

中堅・若手議員らは総会に先立って党本部で懇談会を開き、白票反対と執行部の即時退陣を申し合わせた。しかし、対案は若林氏か野田毅総裁選管理委員長への投票。総裁候補不在で最後の一押しができなかった。総会で執行部退陣を要求した江藤拓衆院議員に、細田博之幹事長は反論した。「われわれも一日も早く辞任したいのはやまやまだ」