2012年4月12日木曜日

企業のパーティー券購入は悪いことばかりではない

これまでは企業の陳情相手も献金先も、自民党が中心だった。日本経団連によると、2007年に会員企業が行った献金額は自民党関連の約29億円に対し、野党の民主党関連は8000万円にとどまっている。

政権交代後、この比率がどう変わるのか今のところはっきりしない。民主党が、企業・団体による政治献金やパーティー券の購入を禁じると政権公約に掲げているためだ。企業側も「献金に関しては法律に従うが、政府との対話は必要」(大手電機メーカーの広報担当者)と語るなど、民主党との距離感を測りかねている。

「企業の要望は、誰でも参加できる無料の勉強会のような場で聞き取ればいい。そうすれば企業献金は必要なくなる」。東京13区で初当選した平山泰朗・衆院議員(37)は、IT関連企業を経営している体験をもとに「業者と意見を交わすのならメールで十分」と公約実現に意欲を見せる。

一方、「企業のパーティー券購入は悪いことばかりではない」と語るのは、大久保勉参院議員(48)。企業献金こそ受けていないが、月に1度、都内のホテルで企業関係者ら数十人と会費1万円の朝食会を開き、経済情勢について意見交換をしている。公約通りなら、これも政治資金パーティーなので開けなくなる。

参院議員はもっと正直だった。「献金がないのなら、いっそ陳情先を党や政府に一元化してもらったほうが楽でいいのかもしれない」

2012年4月3日火曜日

財務金融委員会に所属していたためとみられる

自民党から民主党への政権交代を間近に控え、民主党の国会議員たちが、民間企業とどのように付き合えばいいか頭を痛めている。

今回の衆院選後、同党の議員事務所を訪問する大企業の役員らの姿も目立ち始めているが、「企業・団体献金の全面禁止」を掲げる同党の内部からは、「献金というメリットがないなら、企業の陳情を受けても仕方がない」という声も漏れ聞こえる。新政権の誕生で、政党と企業の関係も大きく変わることになるのだろうか。

若手衆院議員の議員会館事務所には、衆院選翌日の8月31日から、大手銀行の役員があいさつに訪れ始め、今月4日までに計4行の役員が「よろしくお願いします」と頭を下げていった。

この議員が衆院解散前、財務金融委員会に所属していたためとみられるが、大手銀行との付き合いはほとんどなく、応対した議員秘書にとって、訪問者は全員、初対面だった。「今後は金融関連の法案に絡んで、何かお願いをされるのか」。この議員秘書は首をひねりながら語った。

別の同党の衆院議員の事務所には、やはり付き合いのなかった製薬会社の社員がやって来た。「薬事行政に関する委員会の担当でもないのに、『とりあえず』ということなのかな」と、議員秘書。大手運送会社の総務担当者の予期せぬ来訪を受けたという別の衆院議員秘書は「新たな陳情の窓口探しに必死なのだろう」と企業側の事情を解説した。