2012年7月2日月曜日

国家戦略局の構想

民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)で「日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方も見直しの方向で臨む」と明記。日米地位協定では昨年4月、3党で共同改定案を作り、政府に申し入れた経過もある。

しかし、この日午前の政策協議で民主党は「在日米軍基地のあり方を始めとする2国間の課題の解決を図る」とあっさりした文案を提示。社民党には「公約をほごにするのか」という怒りが渦巻いた。国民新党内にも不満は残るが、連立参加を織り込み済みの幹部はつぶやいた。「社民党は大変だよ。命がけだから」

一方、民主党が示した党首クラスの「基本政策に関する閣僚委員会」の閣内設置を巡っては、国民新党は大筋で了承。社民党は持ち帰ったものの、幹部は前向きに応じる構えも見せる。これには伏線があった。

亀井静香代表は幹事長会談後、記者団に「大体一致した」と強調。「やってみなきゃ分からんとこあんのよ」と細部にはこだわらない考えを示した。亀井氏は岡田氏との会談の裏で、国家戦略局担当相に内定した菅直人代表代行と電話で連絡を取り、国家戦略局の情報収集にあたっていた。

「国家戦略局って一体、どうなるのかね」と打診する亀井氏に菅氏は「おれも分からないんですよ。何もないところから作り上げなきゃならない」と国民新党の意向を反映させる姿勢を示唆していた。

社民党の福島氏も国家戦略局の構想を巡り、菅氏と電話でしばしばやりとりしており、提案内容はある程度把握していたとみられる。社民党幹部の一人は8日、「(閣僚委には)鳩山首相が必要に応じて出てきてくれるのであれば、この構成でも構わない」と前向きな姿勢を示した。