2012年7月19日木曜日

「歴史問題解決なければ韓日関係改善に限界」

「日本列島でいくらK‐POPが流行し、韓流ブームが巻き起こっても、政界で歴史問題が解決されなければ両国の関係改善は難しい」(大韓民国歴史博物館建設委員会の金鎮炫〈キム・ジンヒョン〉委員長)

「日本による韓国併合条約は日本の侵略主義の所産であり、『当初から無効(null and void)』という韓国側の解釈が両国の共通解釈にならなければならない」(東京大学・和田春樹名誉教授)

両国の「良心」が再び集結した。101年前に日本が韓国を強制併合した日に当たる8月29日、ソウル市内の北東アジア歴史財団大会議室には「韓国併合条約の無効と東アジアの歴史的和解・新たな未来」と書かれた横断幕が掲げられた

。両国を代表する知識人が、昨年5月10日に「韓日知識人共同声明」を発表してから約1年。「日本による韓国併合は、不義不正な行為だった」と記した断固たる宣言文に韓国はもちろん、日本の知識人ら100人以上が署名した事実は話題になった。第2段階の署名では韓国で540人余り、日本で590人を超えるほど大きな反響を呼んだ。そして今、世界知識人宣言への拡大を目指す。

世界知識人宣言へと拡大

共同代表のキム・ヨンホ檀国大学教授は開会のあいさつで「共同宣言は、参加者の約半数が歴史学者であり、保守派と進歩派が参加する一方で、政府・財界とは関係なく会費制で行われたという点で類を見ない。私たちの行動は韓国民族主義や反日意識よりも、アジアの平和協力時代あるいは『シビル(文明)アジア』の開かれた国際主義から出たものだ。これがアジア知識人共同宣言に拡大し、世界の知識人の支持を得る形へと発展していくものと期待する」と述べた。

発表者の中塚明・奈良女子大学名誉教授は「日本側の署名者540人のうち、歴史家は227人に上る。その数は決して少なくないが、日本の国家意志を変えるまでには至っていない。日清・日露戦争を題材にしながらも、日本の朝鮮侵略に関する話題には一切触れていない特集ドラマ『坂の上の雲』(原作:司馬遼太郎)を、併合100年にNHKが繰り返し放映しているのが今の日本」と語った。

和田春樹・東京大学名誉教授も発表文で「併合条約が『源泉無効(当初から無効)』であることを日本政府が受け入れるようにするには、今後も格別の努力が必要だ」と述べた。

交流の拡大だけでは不足

金鎮炫委員長は韓日関係の改善に関連し、機能主義的アプローチに対する幻想を批判した。同委員長は「よく、独仏の和解とヨーロッパ統合がモデルとして示されるが、それは両国指導者の『過去』に対する確固たる謝罪、戦犯に対する懲罰があったからこそ可能だった。

両国間の経済・文化交流が増えれば自然に両国の関係も改善されるという意見があるが、政界で歴史問題が解決されない限り難しい」との見解を示した。そして「日本は3月の東日本巨大地震後も韓国の救援提案を拒否するなど、韓国に対しプライドを固辞する日本の優越感・日本第一主義の発露は、日本主流の限界を痛感させる。

このような状況が続く限り、韓国は日本の良心的な知識人や市民との連帯を強化しなければならない」と主張した。早稲田大学の小田川興客員教授(元朝日新聞編集委員)は「元従軍慰安婦の女性たちが大地震直後の3月16日、日本大使館前で定例デモの『水曜集会』を震災による犠牲者の追悼集会に切り替えたことに感動した。元慰安婦たちが見せた行動から『未来の扉を開くには過去を清算しなければならない』という重大なメッセージを読み取るべき」と述べた。

2012年7月2日月曜日

国家戦略局の構想

民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)で「日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方も見直しの方向で臨む」と明記。日米地位協定では昨年4月、3党で共同改定案を作り、政府に申し入れた経過もある。

しかし、この日午前の政策協議で民主党は「在日米軍基地のあり方を始めとする2国間の課題の解決を図る」とあっさりした文案を提示。社民党には「公約をほごにするのか」という怒りが渦巻いた。国民新党内にも不満は残るが、連立参加を織り込み済みの幹部はつぶやいた。「社民党は大変だよ。命がけだから」

一方、民主党が示した党首クラスの「基本政策に関する閣僚委員会」の閣内設置を巡っては、国民新党は大筋で了承。社民党は持ち帰ったものの、幹部は前向きに応じる構えも見せる。これには伏線があった。

亀井静香代表は幹事長会談後、記者団に「大体一致した」と強調。「やってみなきゃ分からんとこあんのよ」と細部にはこだわらない考えを示した。亀井氏は岡田氏との会談の裏で、国家戦略局担当相に内定した菅直人代表代行と電話で連絡を取り、国家戦略局の情報収集にあたっていた。

「国家戦略局って一体、どうなるのかね」と打診する亀井氏に菅氏は「おれも分からないんですよ。何もないところから作り上げなきゃならない」と国民新党の意向を反映させる姿勢を示唆していた。

社民党の福島氏も国家戦略局の構想を巡り、菅氏と電話でしばしばやりとりしており、提案内容はある程度把握していたとみられる。社民党幹部の一人は8日、「(閣僚委には)鳩山首相が必要に応じて出てきてくれるのであれば、この構成でも構わない」と前向きな姿勢を示した。