国連が発行しているPKOに関する広報資料にも、PKOを成功に導くためには、紛争当事者の同意や、敵対国同士あるいは一国内の当事者に対し、国連が中立を厳守すること、常任理事国を含む国際社会の幅広い支持があることなどの条件が欠かせない、とうたっている。だが、重要なことは、こうした経験則は、これまでの国連の試行錯誤を踏まえた目安に過ぎず、必ずしも絶対ではない、という点だ。PKOは、それぞれの紛争に対応した特殊な国連活動であり、共通して定式化できるものではない。コンゴ動乱で見たように、PKOが武力を行使する局面があり得たし、情勢次第では、それを容認することは今後もあり得る。これまで見てきたPKO原則は、主として冷戦下で積み重ねられてきた実践例の要約に過ぎず、冷戦後にもその原則が妥当するという保証はない。
例えば、実際に湾岸戦争後に展開された国連イラク・クウェート監視団(UNIKOM)の事例を見てみよう。これは一九九一年四月九日、非武装地帯にいる軍隊の撤退や交通の監視などを任務として安保理か設置を決めたものだ。監視団の性格や中立性などは従来のPKOと同じだが、この設置を定めた安保理決議第六八九号は、前文で、「憲章第七章のもとで行動する」と明記している。つまり、従来の「第六章半」というPKOの位置づけではなく、「強制措置」を定めた第七章に拠ることを明確にしたわけである。米国など当時の安保理常任理事国の担当者の見解は、「かりにイラクが受け入れを拒否しても、この前文を根拠に、UNIKOMは展開できる」という立場だった。
2015年8月19日水曜日
2015年7月15日水曜日
二一世紀の日本の社会保障の再構築
どれぐらいの医師数が妥当なのかというのは実はよくわからない。あまり医師数がふえると、いろいろ弊害も出てくるが、そうかといって、医師不足といわれるのも困る。医師数の将来予測というのは、前提の置き方によってどうにでも数字の動くものである。現在の医師の需給状況をみても、「医師は余りはじめた」とも「医師はいぜん不足気味である」ともいえるし、どちらの数字を出すこともできる。
しかし、いくつかの予測数値を見てみると、だいたい二〇〇〇年ごろにはいちおう充足し、二〇一〇年ごろにはかなり余るとみられる(歯科医は現在すでに余りはじめている)。このようにみると国民医療総合政策会議(浅田敏雄座長)が一九九六年一一月中旬に出した中間報告にもある「医学部入学定員の削減強化と保険医への定年制の導入」などの施策はこのさい行なうべきであろう。
また同報告書では、現在の病床数は医療法に基づくニ○万床より五万床多いと指摘、介護保険制度の導入で社会的入院が減るとみられるので病床削減の具体策を検討するよう主張している。この中間報告の建議は、これまでの審議会のペーパーにくらべて前向きではあるが、もうひとつの側面である入院患者の平均在院日数を短縮すれば、当然病床数も減るし、そうなれば医師も大幅に余るということにもなりかねない。
現在、社会的に問題になっている二一世紀の日本の社会保障の再構築は、これまでのところ、国民の自己負担がふえる話ばかりで、いわゆる″いい話”がない。 医師の削減といっても、すぐには効果の上がる方法はない。いまから少しずつ(一〇パーセントぐらい)医学部定員を削減していく以外にはいい方法は考えつかない。そうすると、どうしてもタイムラグのようなものが出る。それなら、いっそのこと、すこし余った医師を大病院の外来に配置して「三時間・三分」(三時間待って診療時間は三分といわれる)を少し解消するようなことを考えてみてはどうだろうか。
しかし、いくつかの予測数値を見てみると、だいたい二〇〇〇年ごろにはいちおう充足し、二〇一〇年ごろにはかなり余るとみられる(歯科医は現在すでに余りはじめている)。このようにみると国民医療総合政策会議(浅田敏雄座長)が一九九六年一一月中旬に出した中間報告にもある「医学部入学定員の削減強化と保険医への定年制の導入」などの施策はこのさい行なうべきであろう。
また同報告書では、現在の病床数は医療法に基づくニ○万床より五万床多いと指摘、介護保険制度の導入で社会的入院が減るとみられるので病床削減の具体策を検討するよう主張している。この中間報告の建議は、これまでの審議会のペーパーにくらべて前向きではあるが、もうひとつの側面である入院患者の平均在院日数を短縮すれば、当然病床数も減るし、そうなれば医師も大幅に余るということにもなりかねない。
現在、社会的に問題になっている二一世紀の日本の社会保障の再構築は、これまでのところ、国民の自己負担がふえる話ばかりで、いわゆる″いい話”がない。 医師の削減といっても、すぐには効果の上がる方法はない。いまから少しずつ(一〇パーセントぐらい)医学部定員を削減していく以外にはいい方法は考えつかない。そうすると、どうしてもタイムラグのようなものが出る。それなら、いっそのこと、すこし余った医師を大病院の外来に配置して「三時間・三分」(三時間待って診療時間は三分といわれる)を少し解消するようなことを考えてみてはどうだろうか。
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