2015年2月14日土曜日

中国との 間で紛争の火種を抱える近隣諸国

米国防総省は、九五年二月に発表した「米国の東アジア地域に関する安全保障戦略」(通称ナイ・レポート)の中で、「中国は核兵器保有国であると同時に、地域第一級の軍事大国であり、しかも、国連安全保障理事会の常任理事国の座にある世界的な強国」と位置づけ、いち早く中国の軍事大国化に警戒を呼びかけた。

中国の知識人たちは、こうした「中国脅威論」に対して、「近代史を見れば、中国は外国から侵略されたことはあっても、周辺諸国を侵略したことはない」と、口をそろえて反論する。

だが、建国以来の中国の歴史を振り返ると、いろいろな理由があったにせよ、朝鮮戦争、旧ソ連やインドとの国境紛争、中越戦争と交戦歴にはこと欠かない。

しかも、中国は九二年二月、「領海および接続水域法」を公布、日本が固有の領土と主張する尖閣諸島やフィリピン、ベトナムなど近隣諸国と領有権を争っている南シナ海の南沙・西沙諸島を一方的に中国領と明記。

南沙諸島では活動拠点を強化する一方、西沙諸島の永興島には飛行場を建設した。こうした大国主義的な行動と軍事力の強化が相まって、とりわけ中国との間で紛争の火種を抱える近隣諸国は、心中穏やかならぬものを感じている。